△開議 午前10時00分
○議長(
中牧盛登君) おはようございます。ただいまから6月定例会の本日の会議を開きます。 本日の
出席議員数は16名全員であります。よって定足数に達しておりますので、会議は成立いたしました。 なお、本日の会議に出席を求めた者は、市長、副市長、教育長、
病院事業管理者及び各部課長であります。
△日程第1 市政に対する
一般質問
○議長(
中牧盛登君) 日程第1 昨日に引き続き、市政に対する
一般質問を行います。
質問順位第11位、
神社正幸議員の
質問通告は2項目です。
神社正幸議員の質問を許します。
神社正幸議員。(拍手) 〔6番(
神社正幸君)登壇〕
◆6番(
神社正幸君) 通告に従いまして、市における
新型コロナウイルスの対応についてと、
アフターコロナにおける
人口創出事業について質問いたします。 まず、
新型コロナウイルス対応に取り組んでいる医師をはじめ、
医療機関の方々、
保健衛生関連の皆様に、心から感謝申し上げます。 それでは、初めに、
市立大町病院、以下、
大町病院とします、を中心とした大町市はもちろん、
大北医療圏の
新型コロナウイルスの対応について質問します。 このたび、世界規模の
コロナウイルスの蔓延の中で、いかに地元の
大町病院の存在、存続がかけがえのないことであり、我々住民の安心・安全に寄与しているかを、多くの市民が痛感したところだと思います。市存続の絶対条件であります。幸いにも
大北医療圏においては、現在まで1人の発症で拡大を防ぎました。しかし、
観光都市大町としては、完全終息まで安心できません。気が緩めば第2波を招きかねません。また、将来的にも予期できない周期で襲ってくる感染症の
世界的流行に迅速に対応できる地元の
医療体制の充実こそが、市民にとって重大な関心事だと思います。 このたびの日本の
コロナ対策における国民の懸念の一つに、
検査体制の不備が言われております。これまでは圧倒的に少なかったわけであります。
PCR検査の数値も少なかったわけであります。政府は増やすというだけで、数値は一向に上がってきておりません。ここに来て、6月8日の新聞報道で、県の依頼を受け、
大町病院に
新型コロナウイルスの
感染症外来、
検査センターの設置が決まりました。
ドライブスルー方式で行われます。今までハードルの高かった
PCR検査がしやすくなるわけであります。また、これからはかかりつけの医師の判断ですぐに検査を受けられるということであります。大きく改善されると思います。したがって、検体を取るまでの時間が短縮でき、また、全国的に問題視されている保健所と患者の
ミスマッチは改善されるのではないでしょうか。 しかし、ここで問題は、
大町病院に
検査機器が設置されていないことであります。そのため、県内3か所の
検査施設に検体を送り、結果を待つので、多少時間がかかるという問題があります。その間、自宅待機などで
家庭内感染などにおき、リスクが発生しております。全国に数多い事例が起きております。ようやく国・県の補助金で
検査機器の設置が可能であると聞こえてきました。実現すれば、市民にとっても
大北医療圏にとっても、
検査能力の向上で大きな改善につながります。住民の安全につながるということです。早目に感染者の状況把握ができ、ECMO(エクモ)が必要な重症患者には、
松本医療圏に搬送し、命を救うことができます。また、大
規模病院においても検査の負担から解放され、治療に専念することができるのではないでしょうか。
大町病院も当然機器の設置の申込みをすると思いますが、
検査機器購入についてお答えください。 以上、1回目の質問とさせていただきます。
○議長(
中牧盛登君)
神社正幸議員の質問に対する答弁を求めます。
病院事務長。 〔
病院事務長(
川上晴夫君)登壇〕
◎
病院事務長(
川上晴夫君)
新型コロナウイルスに対応した
検査機器導入のお尋ねにお答えいたします。 今月8日から、
市立大町総合病院の敷地内に
大北圏域新型コロナウイルス感染症外来・
検査センターを設置しましたことは、議員御案内のとおりでございます。開設日は月曜日から金曜日までの平日としており、運営形態につきましては、
ドライブスルー方式により問診及び検体採取を行うこととしております。今後の
感染拡大の状況によりましては、検査数を増やすことも想定しておりますが、現在のところ1日の
検査可能数は5人として、
大北医師会の医師の皆様にも御協力をいただきながら、
大町病院のスタッフで対応することとしております。 お尋ねの
検査機器につきましては、県は国の
補助事業に加え、
県単独補助事業のメニューも組み合わせ、長野県
新型コロナウイルス感染症緊急包括支援事業として、県内の
医療機関向けに設備や
医療機器への助成を包括的に実施することとしており、その一つが
PCR等検査体制強化事業でございます。この事業は、
新型コロナウイルスに係る検査を行うために必要な
検査機器の購入費に対し、10分の10以内で補助金を交付するものであり、
検査機器の導入により、院内における
検査体制の整備を図ってまいりたいと考えております。 以上であります。
○議長(
中牧盛登君) 再質問はありませんか。
神社正幸議員。
◆6番(
神社正幸君) 海外では、日本製の
PCR検査機器の、しかも全自動で
検査技師に
感染リスクの少ない機械を採用して、圧倒的な
検査実績を上げているとの報道があります。全自動で
検査技師に感染のリスクの少ない機械ということであります。残念ながら、日本においてはまだ許可待ちであります。私は、たとえ平常時には出番のない機械でも、将来に備えて導入すべきだと考えておりました。6月に入り、厚生省は唾液からの
PCR検査も可能とし、保険適用の考えも発表しております。日進月歩の
医療機械でありますが、将来を見据えてよりベストな
検査機器の設置を、
スピード感を持ってお願いしたいのですが、実行の見通しはいつ頃になるのかお聞きします。
○議長(
中牧盛登君) 答弁を求めます。
病院事務長。
◎
病院事務長(
川上晴夫君)
検査機器の購入に関しましては、県からの要望調査には要望ありとして今回答しているところでありますけれども、現時点におきまして、県から
交付申請等の手続について、まだ通知が届いていない状況であります。このため、今後
通知等到着を待って申請手続、それから
検査機器の購入の準備を早急に進めてまいりたいと思っております。県の補助金の交付手続の状況にもよりますけれども、7月以降、可能な限り早い段階で整備を目指してまいりたいと考えております。整備予定の
検査機器につきましては、鼻の奥から粘液を採取して行うもの、それから唾液での検査も可能な機器ということで考えておりますし、1時間程度で検査結果が測定できる機器を予定しているところでございます。 以上であります。
○議長(
中牧盛登君)
神社正幸議員。
◆6番(
神社正幸君) 昨日の
平林議員の質問の中に、1
検体当たり保険で2万円ぐらいの負担があると聞いておりますけれども、ちょっと蛇足といえば蛇足なんですけれども、
保険点数というのはすぐ変えられるわけじゃないと思います。一定の期間で変わっていくわけですけれども、そういう機械導入で検査の効率がよくなれば、
保険点数もちょっと下がるという可能性はあるんでしょうか。
○議長(
中牧盛登君)
病院事業管理者。
◎
病院事業管理者(
井上善博君) 診療報酬の点数を決めるのは国がやっていることですので、私のほうからは何とも言えませんけれども、確かに、多数検体が増えれば下がる可能性はあるかと思います。 以上です。
○議長(
中牧盛登君) 再質問はありませんか。
神社正幸議員。
◆6番(
神社正幸君)
コロナ感染症の再発で地域に数か所の
クラスターが発生した場合、
大町病院の
感染症病床4床、ベッド数4床だけでは対応できないと私は思うんですが、そのような場合の対策は想定されて計画されているのでしょうか、お聞きします。同時に、
大町病院には災害時に対応するトリアージの
拠点施設として、さくら棟が建設、整備されておりますが、これは主に地震や水害などの災害における対応と思いますが、感染症には利用できるのでしょうか、お聞きいたします。
○議長(
中牧盛登君)
病院事務長。
◎
病院事務長(
川上晴夫君) 県が
コロナウイルスの
感染症患者の
受入調整本部を設けまして、そこを通じ、
感染拡大時の
医療提供体制の確保を図ることとしておりまして、
感染症指定の
医療機関に加えまして、
協力医療機関を合わせまして41病院で300床を確保しているということでございます。また、感染者の症状等の程度によりまして、受入れ可能な病院だとか病床を、役割分担を明確にしながら患者の受入れ、あるいは搬送の調整などを行うことで、円滑な
医療提供体制を構築するということとしております。
大町病院は、御案内のように4床の
感染症病床を有しておりますけれども、県と密接な連携を図りながら当院に与えられた責務をしっかり果たしてまいりたいと思いますし、具体的な対応につきましては、BCP、
業務継続計画に位置づけており、必要な準備に今努めておるところであります。 次に、
南棟さくらにつきましては、災害時の
拠点施設として地震、それから事故等の災害時における傷病者の受入れのための整備をしておりますけれども、現時点においては、室内の空気を外部に漏らさないための
陰圧設備等を配備していないことに加えまして、他部署との動線が交差するなど、
感染防止の対策の面からは適していないということを御理解いただきたいと思います。 以上であります。
○議長(
中牧盛登君)
神社正幸議員。
◆6番(
神社正幸君) さくらに関しては分かりました。 このたびの
コロナ禍における全国の対策が、全国的に日本は対策が後手に回る中、現場で指揮を執る知事や首長の役割がクローズアップされています。それに伴い、
全国知事会が国への提言を議論しているとの報道がありましたが、私は、知事はもちろんのこと、もっと現場に近い自治体の首長が、感染症に対する地方の
医療体制の不備や住民の不安要素などを地域の市長会などで議論して国に提言すべきであると考えますが、いかがでしょうか。第2・第3波の感染に備えるためにも、課題は多いと思います。既に議論されているのでしょうか。市長の考えと特に決意をお聞きいたします。
○議長(
中牧盛登君) 答弁を求めます。市長。
◎市長(牛越徹君) 感染症に対する国等への提案についてのお尋ねでございます。県内の
感染状況は、現在落ち着きを見せてはおりますものの、感染症のリスクというものは依然として今も存在しており、市民の皆様の命と健康を守るため、第2波の到来に備える必要が大変重要であります。
感染症そのものの対策の実施主体は、法の規定に基づき都道府県とされておりますが、本年3月26日に法に基づく
新型コロナウイルス感染症長野県
対策本部が設置されて以来、県と市町村が幾度となく意見交換の場を設け、そして意見を交換しております。その中で、私も県の市長会の役員として参加して、県内の情勢の把握と実情に即した
感染症対策及び市民、県民への支援、あるいは
産業支援等について、積極的に提言してきているところでございます。 こうした中、県の
PCR検査体制は、現在1日当たり250検体から300検体まで実施できるよう、整備が進められております。また、医療の
提供体制は、県内41の病院で300床が確保されており、軽症の方や無症状の方を受け入れる宿泊施設につきましても、200人以上の
受入れ態勢が整備されました。しかしながら、ワクチンや治療薬など有効な予防、あるいは治療の方法が確立されるまでには、なお相当の期間を要するものと考えられます。
全国市長会では、今月6月3日、出席者を絞って総会を開催し、
新型コロナウイルス感染症対策に関する決議を行い、
医療提供体制の確保と財源措置の充実や必要な物資の調達をはじめ、
地域経済対策や
雇用対策の充実など、8項目にわたって国に強く要請をしたところでございます。 今後も引き続き、県及び市長会を通じて国への要望活動により、地域の実情に即した
感染対策を積極的に提言してまいりたいと考えております。 以上でございます。
○議長(
中牧盛登君)
神社正幸議員。
◆6番(
神社正幸君) いずれにしても、トップの決意というものがないと回っていかないわけで、大いに期待するところであります。
新型コロナウイルスの感染の影響で、全国的に
病院経営の悪化が報道されております。イタリアでは、近年の
医療予算の削減がこのたびの
コロナ対応の遅れになったと言われております。日本もこれらの予算は削減され、衛生研究の分野では予算は半減されていると聞いております。
大町病院は
再建計画を立て、まさに進行中であります。職員一丸となって改善への方向が見えてきたときだけに、大いに心配するわけですが、
コロナ禍の3か月の経営状態については、昨日数パーセントの収入減との報告がありましたが、
再建計画への影響をどのように分析しているのかお聞きいたします。
○議長(
中牧盛登君) 答弁を求めます。
病院事業管理者。 〔
病院事業管理者(
井上善博君)登壇〕
◎
病院事業管理者(
井上善博君)
新型コロナウイルス感染症に関する
経営健全化計画への影響についてのお尋ねにお答えいたします。 先般の
市議会全員協議会で、令和2年度4月期の
入院外来収益への影響につきまして御報告申し上げましたが、このたび5月期の集計がまとまりました。4月と5月を合わせました2か月間の収益状況は、前年同期と比較いたしまして入院、外来、その他合わせ5.6%の減収となっております。一方で、5月後半の
緊急事態宣言の解除以降、
受診患者数は徐々に増加してきている傾向にあり、回復基調にあることを実感しております。しかし、
感染拡大の第2波やそれに伴う風評被害を含め、今後の動向はなお不透明で、予断を許さない状況にあるものと考えております。
経営健全化計画は、収支改善を主眼として資金不足の改善を図るものであります。収益の確保が計画どおり達成できなければ、支出のさらなる削減が必要になることは必至であり、大幅な減収が
健全化計画に与える影響は非常に大きいものと認識しております。
新型コロナウイルスに対しては、今後も長期的な視点に立った対応が必要であり、
病院職員が精神的に疲弊することのないよう、メンタルヘルスケアの充実により、勤務環境の整備に取り組んでまいります。
大町病院は、今後も
業務継続計画に基づき、状況に応じた最善の
診療体制の維持を行ってまいりますので、市民をはじめ、地域の皆様におかれましては、安心して受診していただきますようにお願い申し上げます。 以上です。
○議長(
中牧盛登君) 再質問はありませんか。
神社正幸議員。
◆6番(
神社正幸君) 院長の先の見通しに対する決意を聞かせていただき、安心いたしております。 次に、
アフターコロナにおける
人口創出事業についての質問に入ります。
新型コロナウイルスの感染は、世界の
グローバル化、国際間での大きな人の流れであっという間に全世界に広がりました。国内においては、大都市において
ウイルスは感染者を取り替えて増殖を繰り返し、人類を苦しめています。まさに都会は
ウイルスにとって絶好の繁殖地なのであります。都会は避けなければいけない3密によって、経済が成り立っているところが多いです。都会への一極集中は、もはや大きな政治問題であります。ここに来て、紙面にもコロナ後の世界といった見出しを見つけます。
アフターコロナにおける新しい
生活様式などが語られ始めてきております。例えば、家賃の高い東京では、レストランでソーシャルディスタンスを取れば採算が取れません。多くの点で都会のメリットが不透明になってきて、負の部分が見えてきております。企業も
テレワークの働き方改革の試みもあり、都会の人たちは必要なときに都会に行ける条件さえ担保できれば、より住みよい環境を求めるのではないでしょうか。
都会生活よりも地方分散型への転換が訪れると私は思います。コロナが収まれば、図らずも
移住希望者が多くなると思われます。条件においては、長野県は
移住希望ランキングでトップであります。決して弱みに付け込むわけではありませんが、私はあえて大きなチャンスだと捉えております。今までの一連の施策を見直し、発展させることが必要であります。それには、私は大町でできる
生活モデル、
大町モデルを示すことではないでしょうか。ネットなどあらゆる情報手段を利用して発信し、訴えるべきであります。行政の考えをお聞きいたします。
○議長(
中牧盛登君) 答弁を求めます。
総務部参事。 〔
総務部参事(
和田泰典君)登壇〕
◎
総務部参事(
和田泰典君)
移住希望者に向けた
情報発信についてのお尋ねにお答えいたします。
新型コロナウイルス感染拡大の影響で、人口が密集する
都市生活のリスクが顕著になったことに加え、
テレワークにより、仕事を継続したまま地方で生活できることが実証されております。全国の自治体では、
コロナ終息後を
移住受入れの好機と捉えており、当市としましても、他の自治体と差別化を図り、新しい
生活様式に即した独自の施策を打ち出す必要があると考えております。市の最大の
アピールポイントは、北アルプスや清冽な水、里山など恵まれた自然環境であります。コロナ後の新しい
生活様式では、この環境を最大限に生かして、新たに
テレワーカー層をターゲットとして都会での仕事を継続し、雄大な自然の中でストレスなく安心して心豊かに暮らすことを提案してまいります。 議員御指摘のとおり、こうした施策を推進するには、あらゆる媒体を活用して積極的に
情報発信をする必要があります。これまでのホームページやインスタグラム、
フェイスブックに加えまして、ユーチューブなどのチャンネルでの
大町暮らしの配信や本年度制作、配信を予定しております
移住希望者向けのPR動画も活用しながら、積極的なプロモーションに取り組んでまいります。 以上です。
○議長(
中牧盛登君) 再質問はありませんか。
神社正幸議員。
◆6番(
神社正幸君) 答弁に期待するところ大であります。手をこまねいていても
移住拡大はできません。私の経験では、多くの移住者は人間関係を頼って移住を決めております。移住者にとっては、最初に訪ねる役場の窓口での移住者の立場に立った対応が大切なわけであります。移住者にとっては、これらの対応が全てといっても過言ではありません。おおむね
ワンストップの
定住促進課の対応はよいようで、感謝をよく耳にいたしております。しかし、起業を目的として移住してくる人々にとっては、商工会の対応も含め、まだ対応に不満があるようであります。市民全体での対応改善が大事だと考えております。 また、範囲を広げての補助金の創設や移住者が何を求めているかの
意識調査をして、心をつかむべきではないでしょうか。雇用などの
受入れ態勢の充実も、行政、市民、業者、企業の協働により再構築をすべきです。 6月になって市の人口は2万6,000人台になってきました。市長の考える方法と決意を伺いたいと思います。
○議長(
中牧盛登君) 答弁を求めます。市長。
◎市長(牛越徹君) 移住者への
意識調査、その他いろんな意見を聞くべきということでありますが、まず、移住者への
意識調査につきましては、
移住セミナーへの参加者やあるいは市の
移住促進事業を介して移住された方など、多くの方から
アンケート調査を実施しております。そうした中で、議員御指摘のとおり、移住に関しては
コロナウイルス感染症の終息後、全国他の都市との競争は一層激化することになりますし、また、そうした予想の中から新たなニーズを的確に把握し、施策に反映させることが重要だと考えております。そのため、今後も継続して移住者への
アンケート調査を実施するとともに、その結果を自治会や
大町公共職業安定所、金融機関、あるいは
移住経験者であります移住・
定住促進アドバイザーなどで組織しております大町市
定住促進協働会議と共に分析を行い、様々な皆さんの希望や期待を反映した効果的な対策を講じてまいりたいと考えております。 新たな局面では、新たな取組が必要となってまいります。そのためにも、新たな知見を大いにヒントとして、今後より多くの皆様の意見を聞き、その中で御提言いただいた建設的な、あるいは有用な御提言をしっかり政策、また施策に反映してまいりたいと考えております。 以上でございます。
○議長(
中牧盛登君) 再質問はありませんか。
神社正幸議員。
◆6番(
神社正幸君) 誠に唐突でありますが、副市長に伺います。 このたびは副市長の重責に就任していただき、心よりお礼申し上げます。副市長は、大町に移ってまだ数か月たったところだと思います。市内への移住者の切り口においては、一番新しい住民なわけであります。今の大町市への移住者としての印象と、また
移住促進の考えをお持ちでしたらお聞きしたいのですが、お願いいたします。
○議長(
中牧盛登君) 答弁を求めます。副市長。
◎副市長(矢花久則君) 移住者としての視点での見解ということでお尋ねをいただきました。議会の皆様の御同意をいただきまして、副市長に就任いたしまして3か月が過ぎるところでございます。こうした暮らしの中で、現在、不自由に思っているということは全くございません。例えば、日頃見ていた北アルプスの風景、これも朝、それから夕方、夜とそれぞれ風景、景色が変わるということ、それからまた、暮らしにおいても、今まで満員の通勤電車で通っておりましたけれども、そうしたストレスもなくて、また、暮らしの中で必要となります病院だとか金融機関、それから買い物をする場所、それらも非常にコンパクトにまとまっておりまして、市内全部で完結されております。また、そうした暮らしの中で、地区の皆様にもしっかり支えていただいているところでございます。 その中で、私、子どもの頃に中心市街地でいろんな店がありましたけれども、そうしたものが大分なくなってきているということで、大変寂しい思いをしておりますけれども、その一方で、非常に新しい、また魅力のある店があるということも発見をしたところでございます。そうした中で、これから併せてコロナの影響で夜の街も大変寂しいというような状況でございますけれども、これでコロナが回復してくれば、そうした明かりも戻ってくれば、また私の大町での暮らしというものもますます充実してくるのではないかというふうに、かように思っているところでございます。 そうした中で、これからのまちづくりの視点ということでございますけれども、やはりまちが元気になること、それが一番でございます。そういうところについて、しっかりと市長を支えて頑張ってまいりたいというふうに思っているところでございます。 以上でございます。
○議長(
中牧盛登君)
神社正幸議員。
◆6番(
神社正幸君) 副市長の人脈を通して、大町をまた発信することをお願いいたします。 昨年より、サントリーをはじめ、企業におけるプロジェクトが市内で展開されております。このことは、取りも直さず大町市が企業の将来に厳しい要望にかなったという結果ではないでしょうか。もちろん市長をはじめ、行政や商工会の長年の努力は大きいと思います。それに伴い、雇用の創出が期待されているわけであります。特に
コロナ禍においては、企業はコロナ感染における都会でのリスクなどを考え、また
テレワークの経験も踏まえ、地方への移転、地方分散を考えているはずです。特に企業の将来を託す研究開発、イノベーションなどにおいては、都会のリスクを軽減しようと考えるのではないでしょうか。私は一貫して北高跡地を企業の研究開発の拠点に誘致すべきと訴えておりますが、千載一遇のチャンスと思います。市は企業の誘致の実績を上げてきておりますが、大町市の人材を動員しても企業誘致に対処すべきです。市長の考えをお聞きいたします。
○議長(
中牧盛登君)
産業観光部長。
◎
産業観光部長(駒澤晃君) 旧大町北高跡地への研究開発拠点誘致についての御質問にお答えをいたします。 大町北高跡地は現時点で県有地であり、まず県において利用等について慎重に検討を進めたいとし、その時期や用途はまだ示されておりません。今後跡地は活用策の検討が進み、利用の方向性が明らかになるものと考えておりますが、その一方で、北高跡地は町なかにあるまとまった面積を有しており、将来の地域振興を展望するとき、大変重要な場所であることも十分認識をしております。そのため、市といたしましても、企業誘致に限らず、様々な活用策を検討してまいります。 これまで市では地域特性を生かした企業誘致を推進しており、直近ではサントリーやみすずコーポレーションの立地も決定し、現在、工事が順調に進んでいるところでございます。アクセス面では他地域と比較して厳しい立地環境にはありますが、
テレワークも普及拡大しており、市固有の地域資源であります水と空気、北アルプスの雄大な景観などを最大限生かすことができる企業をターゲットとして、食料品や化粧品、医薬品などの製造業のほか、議員御提案の研究開発機関などへの誘致活動も行ってきております。今後も引き続き、全庁を挙げて積極的に企業誘致に力を尽くしてまいります。 以上であります。
○議長(
中牧盛登君)
神社正幸議員。
◆6番(
神社正幸君) 過去の答弁で聞いたこととそうは変わらないんですけれども、やはりこちらから求めていくという姿勢が必要ではないかと思います。つきましては、企業誘致においては、トップセールスはやはり市長なわけであります。市長の企業誘致を目的とした企業訪問計画は、1年に何回ほど計画されているのでしょうか。
○議長(
中牧盛登君) 市長。
◎市長(牛越徹君) これまでも御答弁で申し上げてまいりました。いわゆる年間計画でどうのではなく、有用な情報が来たときには、その都度様々な方面に情報収集がてら挨拶に伺うことは、今までにも取り組んできております。と同時に、国際芸術祭の際には、準備段階から数十社にわたるいわゆるスポンサー、あるいは寄附としての支援をいただいておりますが、その折には、前回のお礼に伺う、あるいは次回第2回に向けてのお願いに上がる、その折にも、当然単なるスポンサーとしてのお願いだけではなく、いわゆる経済情勢や新たな立地など、個々の企業のいろんな状況について意見交換をし、そしてそういったものを持ち帰り、いわゆる企業誘致政策、あるいは現在市において活動されている様々な産業とのドッキングといいますか、融合ということについて、コラボということについて検討する材料にしております。たまたまこの2月以降は、ほとんど特に大都市圏に伺うそうした機会が全く閉ざされておりますが、そうした中でも何とか情報を探りながら、また
コロナ終息の後には新しい生活、この地域の生活基盤を支えていく、あるいは雇用基盤を支えていくためにも、再度活動を再開してまいりたいと考えるところでございます。 以上です。
○議長(
中牧盛登君)
神社正幸議員。
◆6番(
神社正幸君) 即対応して訪問するということを聞いて安心しております。やはりトップセールスが行くことがすごく企業に重きを置くことになると思いますので、よろしくお願いいたします。 最後に、多少蛇足ではありますが、最近、BSのNHKで、フランスの経済学者ジャック・アタリ氏の対談がありました。彼は日本に相当来日しているわけでありますが、コロナ後のことについて語っているところに大変感銘を受けました。それは、未来の将来の子どもたちのために政治は常に頭に置いてやるべきだということと、
コロナ感染症後は利他主義という他人を思う心でやっていかなければ駄目だという、そういう項目がありました。信毎にも連載されておりましたが、そんなことを訴えて私の質問を終わります。ありがとうございました。
○議長(
中牧盛登君) 以上で
神社正幸議員の質問は終了いたしました。 ここで、10時55分まで休憩といたします。
△休憩 午前10時41分
△再開 午前10時55分
○議長(
中牧盛登君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。 市政に対する
一般質問を継続いたします。
質問順位第12位、
太田昭司議員の
質問通告は1項目です。
太田昭司議員の質問を許します。
太田昭司議員。(拍手) 〔7番(
太田昭司君)登壇〕
◆7番(
太田昭司君) 皆さん、こんにちは。公明党の
太田昭司でございます。 それでは、通告に従いまして、1、
新型コロナウイルス対策について、この1点について質問させていただきます。 初めに、世界中を震撼させている
新型コロナウイルスの拡大は、今も続いております。今この瞬間にも
ウイルスと闘っておられる世界中の医療従事者の方々に対しまして、心より敬意を表しますとともに、深く感謝申し上げます。そして、これまでに
ウイルス感染により亡くなられた多くの方々の御冥福を心よりお祈り申し上げますとともに、感染症に罹患し、今も病と闘っておられる方々に対しまして心よりお見舞い申し上げます。
新型コロナウイルス感染症の世界的な拡大によりまして、私たちの生活は完全に変わってしまいました。第1波はようやく終息に向かっておりますが、第2波は決して非現実のものではなく、むしろ第2波は確実に来ると多くの専門家が指摘しております。今後、万が一高齢者
福祉施設から感染者が出るようなことがあれば、ただでさえ人材が不足している福祉現場は大きな混乱につながりかねません。 そこで、大町市内の介護現場の新型コロナの影響はどのようなものであったのか、各介護施設、事業所の新型
コロナ対策の状況をどのように把握をしているのか、お聞きいたします。具体的には、新型
コロナ対策に必要な消毒用アルコール、サージカルマスク、長袖ガウン、ゴーグル、フェイスシールド等の供給はどのようになっているかについてもお聞きいたします。また、介護施設に対して市としてどのような支援を行っているかについてもお聞きいたします。 これで第1回目の質問を終わります。
○議長(
中牧盛登君)
太田昭司議員の質問に対する答弁を求めます。民生部長。 〔民生部長(
曽根原耕平君)登壇〕
◎民生部長(
曽根原耕平君) 介護現場における対策の状況把握についての御質問にお答えいたします。 市では、国内における
感染拡大が意識され始めた2月から、介護施設等に対して予防対策の実施状況やマスクなどの衛生物資の確保状況について、聞き取り調査を複数回行ってきたところであります。このうち、感染予防対策につきましては、いずれの施設も国の指針に従い、マスクの着用やきめ細かなアルコール消毒の実施、時間を決めた換気の徹底、また面会の制限、検温の実施など、徹底した
感染防止対策が実施されており、この結果、これまで全ての施設において介護サービスが維持されております。また、衛生物資の確保状況につきましては、多くの事業所におきまして、確保することが非常に厳しい状況にあることなどを把握したところでございます。 次に、市の支援策についての御質問にお答えいたします。 先ほど御答弁申し上げましたとおり、介護施設等におきまして物資が不足する中、市では、事業所や市民から寄贈いただいた高濃度アルコールとマスクを、社会福祉事業応援パックとして5月中旬に各施設に対し、一斉にお届けいたしました。また、市が実施する
新型コロナウイルス感染拡大防止支援金の対象施設として、10万円の支援金を給付することにより、資金面における支援も行っているところでございます。市といたしましては、地域福祉の基幹となる介護施設等が今後も引き続き安定した運営が継続されるよう、介護施設のニーズもお聞きしながら必要な支援に努めてまいりたいと考えております。 以上でございます。
○議長(
中牧盛登君) 再質問はありませんか。
太田昭司議員。
◆7番(
太田昭司君) 介護現場の新型
コロナ対策についてお聞きいたしました。 新型コロナの感染症と闘っておられます医療現場の皆様の御苦労は、どれほどか計り知れません。と同時に、介護福祉、障害者福祉の従事者の皆様には、体を自由に動かすことのできない特に重度の利用者さんの皆様を、文字どおり抱きかかえられながらサービスを提供しておられます。そのような意味では、介護福祉、障害者福祉の従事者の皆様こそ、医療従事者の皆様と同等、またはそれ以上に、
新型コロナウイルスの感染の危険と隣り合わせの中で仕事をされておられるわけでございます。この方々こそ感染症からしっかりとお守りすることが、今後の第2波に備えた最も重要な取組になると感じます。国の2次補正予算でも介護現場に対する支援策が強化されたと伺っておりますが、ぜひ大町市としましても、でき得る限りのお取り組みをよろしくお願いいたします。 新型コロナの影響で、学校も長期にわたり休校となりましたが、安曇養護学校におきましても臨時休業が実施されました。そのような中、家族としては障害者福祉事業所にお子さんを預けたいところですが、施設としてはむしろ感染予防のため、利用者さんに利用の自粛をお願いしたわけでございます。そこで一番御負担を強いられるのは、障害のあるお子さんを持つ家族でございます。また、障害のある方々にとっては、これまで慣れてきた生活のリズムが急に変わることには大きな戸惑いとストレスを感じ、精神的にも不安定になることが多く、御家族の負担も大きいとお聞きしております。今後、新しい
生活様式が障害者の方々にも求められるわけでございますが、これは簡単なことではないと思います。障害者福祉事業所など現場の状況について、また、障害者からの相談が増えているかどうかについてもお聞きいたします。
○議長(
中牧盛登君) 答弁を求めます。民生部長。
◎民生部長(
曽根原耕平君) 障害者施設に関する状況についてお答えいたします。 まず、障害者福祉事業所における状況でございますが、小・中学校等一斉休校に伴いまして、日中の利用が若干増加したという状況にあります。また、春休みの休校が急遽前倒しになったという場面では、各事業所では支援に当たるスタッフの確保が難しいというようなお話もお聞きいたしました。また、休校に伴う在宅での介護等により、御家族の負担も大きかったものと推察しているところでございます。 このほかに、授産施設や作業所では、企業からの受注が減少するとか、各種イベント事業等が中止になりまして、観光施設等の休業も重なっているということで、自主製品を販売する機会が大きく減ってしまったということなどから、利用者の皆さんへの工賃の支給も減少しているという状況にもあります。障害のあるお子様を持つ保護者からは、休校に伴う生活リズムの変化によって不穏となった子どもへの対応が負担であるといったような相談も寄せられていると聞いておりまして、今後も
感染対策が長期化することが見込まれ、状況に応じて新たな支援策も検討する必要があるのではないかと考えているところでございます。 市といたしましては、今後も障害のある方の生活実態の把握でありますとか、施設及び相談者への丁寧な対応というところに心がけて努めてまいりたいと思います。 以上でございます。
○議長(
中牧盛登君)
太田昭司議員。
◆7番(
太田昭司君) 障害者福祉の現場の状況、大変よく分かりました。また、作業場の現状も大変だということもよく分かりました。私も、障害のあるお子さんを持つ保護者の方より、新型コロナが障害のある方々にどれほど精神的に大きな負担を強いているかをお聞きしております。また、障害のあるお子さんが通う学校にもなかなか悩みを相談できずに、一人で悩んでおられるお母さんもいらっしゃいました。このようなときこそ、障害者御本人や御家族の不安な気持ちに寄り添った
相談支援というものは、最も重要なものであると強く感じるところでございます。ぜひ障害者の
相談支援のさらなる充実をよろしくお願いいたします。 続きまして、次の質問に移ります。
新型コロナウイルスとの共存、共生を前提とした新たな日常が始まりました。現在、県内においては新型コロナの
感染拡大はほぼ終息しましたが、決して油断できるものではありません。そこで、このたびの新型コロナの拡大を受けて、市役所や公共施設においてどのような対策を取られてきたのか、また、今後の
コロナ対策についてお聞きいたします。具体的には、大町市におきましても
テレワーク、時差出勤など既に行われているものはあるか、また、今後は地方自治体におきましても新たな
生活様式が求められる中で、
テレワークや時差出勤に加えて、オンライン会議の導入なども検討されているかについてもお聞きいたします。
○議長(
中牧盛登君) 答弁を求めます。
総務部長。 〔
総務部長(
竹村静哉君)登壇〕
◎
総務部長(
竹村静哉君) 新しい
生活様式を踏まえた市職員の対応についてお答えいたします。 市では、
緊急事態宣言期間中の4月22日から5月17日までの間、職員相互の接触機会を削減するため、職員の勤務体制に週休日の振替を組み込み、1日当たりの出勤人数を削減いたしました。この取組では、業務の継続を最優先とした上で職場ごとに土曜日、日曜日に勤務する職員を割り当てることにより、おおむね平日の出勤者数の3割削減を実現いたしました。一方で、文化会館など変則的な開館スケジュールとしております公共施設では、閉館措置や事業の休止などにより出勤調整を行い、適切に対応しております。 なお、
テレワークにつきましては、防災行政無線の光ファイバー回線を利用して、県庁及び県内市町村間のオンライン会議を開催しておりますが、個人情報を含む行政情報を民間のネットワークを使用して扱うことが困難であるため、今後システム全体の在り方を含め検討いたしますとともに、オンライン会議についても、機器や環境の充実と併せ、検討してまいります。 議員御指摘のように、今後は
新型コロナウイルスと向き合う行政機関におきましても、新たな
生活様式が求められることになります。市といたしましても、職員をはじめ、公共施設利用者の感染予防に十分配慮しつつ、住民サービス提供の向上に取り組んでまいります。 以上でございます。
○議長(
中牧盛登君) 再質問はありませんか。
太田昭司議員。
◆7番(
太田昭司君) 市職員の皆様の職場環境の新型
コロナ対策につきましてお聞きいたしました。オンライン会議につきましても、よく分かりました。今後も新型コロナに限らず、あらゆる感染症に対する対策として、新しい働き方が問われてくるものと思います。そして、市民の皆様の生命と生活を守るためにこそ、職員の皆さんの健康と安全を確保すること、これが求められると思います。 ところで、昨年の9月の定例会の
一般質問におきまして、業務の効率化を図るためのICT化の推進、また、チャットボットやRPAの導入についてもお聞きいたしました。今後は
感染症対策を進める上で、人と人との対面や接触を少しでも減らす意味でも、AIやICTの導入をさらに進めていくべきであると考えます。今後のICT化の推進についてお聞きいたします。
○議長(
中牧盛登君) 答弁を求めます。
総務部長。
◎
総務部長(
竹村静哉君) 今後の市役所等におけるICTの進め方についてのお尋ねでございます。 人との対面や接触を減らし、行政事務を進めるためには、ICT技術の活用が有効であると考えております。市では、庁内におけるオンライン会議や
テレワークの検討のほか、県などとのオンライン会議への対応を行ってまいりました。こうした取組を通じてさらにICT技術を活用するためには、場所に左右されず
テレワーク等ができる情報環境や機器の整備に加え、市役所が多くの個人情報を扱うことに伴うセキュリティー対策などの課題、これがあることも判明いたしました。 今後、今回のような
感染症対策も念頭に置いて、市役所等におけるICT技術の活用に当たりましては、先ほど述べた課題に加えまして、AIなどの新たな技術の活用、また電子申請サービスの拡充なども図りながら、情報通信システムの整備を検討してまいります。 以上でございます。
○議長(
中牧盛登君)
太田昭司議員。
◆7番(
太田昭司君) 今後の市のICT化につきましてお聞きしました。特にセキュリティーの話もありましたけれども、これは私も非常に大事な課題であると感じております。ぜひ今後もさらにICT化を進めることで、これからのウィズコロナの時代にマッチした安心できる公共サービスがさらに充実することを願っております。 続きまして、次の質問に移ります。 さて、新型コロナの影響は、私たちの健康に対する危機であると同時に、私たちの生活にも大きな影響を与えております。最近の報道によりますと、今年に入って解雇や雇い止めに遭われた方は2万人を超えたと報じております。また、この新型コロナ騒動に乗じた悪質な詐欺に遭われたという方もおられます。そのような方々のための相談の場が今求められております。ちょうど大町市においても、いのちを守る推進計画がこの3月に策定されたところでございます。ぜひ市民の皆様が一人で悩みを抱え込むことのないような取組の強化をお願いしたいと思いますが、これまでの市の相談事業等の取組について、また今後の予定についてお聞きいたします。
○議長(
中牧盛登君) 答弁を求めます。民生部長。 〔民生部長(
曽根原耕平君)登壇〕
◎民生部長(
曽根原耕平君) 感染症の影響による
相談支援等の取組についてお答えいたします。 市では、本年3月、大町市いのちを守る推進計画を策定し、保健医療、福祉、教育等の様々な分野が連携し、
相談支援体制の充実や命を守るための取組を進めております。こうした中、感染症の拡大に伴う外出自粛などにより、心身の健康や収入の減少など、生活への不安や悩みを抱えながら相談にお見えになる方も多いことから、各担当窓口では、一人で悩みを抱えることのないようお声がけをするなど丁寧な対応を心がけ、個々の相談内容に即した支援に努めているところでございます。 また、市では、職員の
相談支援における対応力の向上を図る研修や市民向けのこころ・法律・仕事のなんでも相談会を開催して、より専門的な相談の機会を提供できるよう、現在準備を進めているところでございます。 さらに、SNS上では、
ウイルスに感染された方やその御家族、また医療従事者等に対する心ない書き込みが拡散される事例が見受けられますことから、引き続き、市民の皆様へあらゆる媒体を活用して人権への配慮と冷静な対応を呼びかけてまいります。 以上でございます。
○議長(
中牧盛登君) 再質問はありませんか。
太田昭司議員。
◆7番(
太田昭司君)
相談支援についてお聞きいたしました。
新型コロナウイルスは、その実態がまだしっかりつかめておらず、これから
感染拡大がどうなるか、まだまだ先が見えない状況にあります。そのような中、先の見えない不安と同時に経済的な不安、そして何よりも自分が感染してしまったらどうしようという恐怖、そしてこのような緊急時においては感染者に対する偏見や差別が生まれ、1人が何重にも苦しい状況に追い込まれることもあります。そのような状況において、今最も必要とされる取組の一つが
相談支援であります。どうか市民の皆様の命を救う
相談支援の充実、そして周知徹底をよろしくお願いいたします。 ここで、ぜひ市長にお尋ねしたいと思います。先ほども述べさせていただきましたが、本年に入ってからの解雇や雇い止めに遭われた方は、既に2万人を超えてしまいました。私の知り合いの中にも解雇された方、聞いております。そして、失業者は今後さらに増えることが予想されております。職を失われた方の中には、短期間であってもすぐに働くことを望んでおられる方もいるはずでございます。そんな方々のために、大町市にとって今必要な仕事をしていただくための緊急雇用創出事業を実施することはできないでしょうか。お聞きいたします。
○議長(
中牧盛登君) 答弁を求めます。市長。
◎市長(牛越徹君) 緊急
雇用対策の事業についてのお尋ねでございます。 今般の
新型コロナウイルス感染症の影響によりまして、市におきましても様々な助成金や給付金事業に対する新たな事務が発生いたしました。これらの事務は業務量も多く、また迅速な対応が求められましたことから、他の市では、緊急
雇用対策として新たに会計年度任用職員の募集を行い、対応している事例もあると聞いております。 当市におきましては、国際芸術祭や観光イベントなどが延期、または中止となったことなどを受け、これらの事業の担当職員が、事業の迅速な実施が求められます助成金、あるいは給付金事業に係る業務に従事することといたしました。このため、業務量から考えますと、現時点では緊急
雇用対策として外部から人材を求める必要性は生じておりませんが、議員の御質問にありましたように、今後の状況によっては大きな雇い止め、あるいは解雇などが見込まれるところでございますので、今後の経済、雇用情勢を踏まえまして、必要に応じて緊急
雇用対策事業の活用も視野に入れ、しっかり対応してまいりたいと考えております。 以上でございます。
○議長(
中牧盛登君)
太田昭司議員。
◆7番(
太田昭司君) 緊急雇用について市長より御答弁いただきましたが、地方創生臨時交付金のこれは活用事例にもありますけれども、ぜひ大町市独自の
コロナ対策としまして、大町市の大切な方々の生活と命を守る取組をぜひよろしくお願いいたします。 次の質問に移ります。 最近、長野県内、特に中信地区において地震が連続発生をしております。また、長野県も先頃梅雨入りをしましたけれども、近年の異常気象を考えると、いつ豪雨被害などが発生しても不思議ではありません。今後、新型コロナの第2波が到来したとき、同時に大地震や豪雨災害が発生することも十分考えられます。したがって、今後は
新型コロナウイルスとの共生を前提とした複合災害に対する対策を講じていかなければなりません。 今後まず取り組むべきこととして、災害から身を守ると同時に、感染症の拡大を防ぐための分散避難の体制を構築しなければなりません。その際、これまでの避難所の考え方に固執することなく、今後はホテルや旅館なども避難所として活用することも考えられます。先日の御答弁にもあったとおりでございます。また、国の第2次補正予算によって拡充されます地方創生臨時交付金によって、感染症予防のための消毒液やマスク、パーティション、段ボールベッドなども購入し、備蓄するべきと考えます。今後、複合災害に対して市としてどのような対策が必要とお考えか、お聞きいたします。
○議長(
中牧盛登君) 答弁を求めます。
総務部長。 〔
総務部長(
竹村静哉君)登壇〕
◎
総務部長(
竹村静哉君) 感染症発生時に他の災害が同時に発生した場合の対策について、御質問にお答えいたします。 現時点で、国・県等から感染症と他の災害とが同時に発生する複合災害時への対応につきまして、具体的な計画等は示されておりませんが、市独自の取組といたしまして、指定避難所となる体育館を使用し、パーティションなどを利用した避難所運営の実地確認を行うなどの対応を図っております。また、先日も申し上げましたとおり、いわゆる3密を回避するため、ホテルなどの宿泊施設も利用した避難所の設定についても、現在検討をしておるところでございます。今後、複合災害に対する様々な指針が県や国から示されるものと想定をしておりますことから、市として取り組むことが可能な対策につきましては、その都度速やかに対応してまいります。 以上でございます。
○議長(
中牧盛登君) 再質問はありませんか。
太田昭司議員。
◆7番(
太田昭司君) 複合災害についての対策のお話を御答弁いただきました。 新型コロナの第2波がもう確実視されている今でございます。そしてまた、昨年の台風19号、また中信地区における地震の連続発生等を考えるならば、複合災害への備えは、私は待ったなしであると強く感じております。ぜひ対策をよろしくお願いいたします。 ところで、今後、万が一新型コロナの第2波の到来により、大町市の市民の皆様の生活と命を支えておられる市の職員の皆さんの多くが感染してしまった場合の市の業務の継続ということが、大きな課題となります。東日本大震災におきましては、役場が丸ごと飲み込まれてしまい、多くの職員の方々が亡くなられたところもあります。まずは
感染拡大の防止策の徹底こそが第一ではありますが、今後の第2波に備え、
新型コロナウイルス等の
感染症対策の観点から、BCP、
業務継続計画の見直しを行うことが求められるのではないでしょうか。現在、大町市には地震対策編のBCPが存在しますが、このBCPに感染症の視点を盛り込むか、もしくは新たに
新型コロナウイルス編を策定し、2つのBCPを連動させるのか、これについても議論が必要と考えます。今後の複合災害に備えたBCPについての市のお考えをお聞かせください。
○議長(
中牧盛登君) 答弁を求めます。
総務部長。
◎
総務部長(
竹村静哉君) 複合災害に備えたBCP策定の御質問でございます。 市の
業務継続計画は、地震対策と新型インフルエンザ等対策に分けて策定をされております。このうち、新型インフルエンザ等対策計画は、平成21年8月に策定され、今回の
新型コロナウイルスにも対応できる内容となっておりますことから、新たに
新型コロナウイルスに特化した計画の策定は考えておりません。 なお、今後国・県等から地震など自然災害が同時に発生するなどの場合を想定した新たな指針が示されるなど、計画に修正の必要が生じる場合がございますけれども、その場合には速やかに対応することといたします。 以上でございます。
○議長(
中牧盛登君)
太田昭司議員。
◆7番(
太田昭司君) 新型コロナを想定したBCPの策定、今は考えておられないということでございますが、先ほども述べさせていただきましたが、第2波が確実視されている今でございます。市民の生活と命を守るために、いかなる状況の中でも市民サービスを提供できるように、BCPの見直しをぜひよろしくお願いいたします。 次の質問に移ります。 新型コロナの
感染拡大は、世界を大きく変えてしまいました。しかし、これは世界がよりよい方向へ変わるチャンスでもあると信じます。経済活動もより自然に優しい在り方へと変わっていくことで、持続可能なものへと急速に変わるチャンスでもあります。産業もエネルギー供給も今後は都市集中型から地方分散型へと大きくシフトし、地産地消が進むものと考えられます。そして何よりも、自然豊かな大町市の観光は、むしろ
アフターコロナの観光を目指すモデルとなる可能性があると私は考えます。
アフターコロナの観光は、自然志向、体験型へと移行していくはずです。したがって、今後は大町市が誇る北アルプス、仁科三湖をはじめとする大自然、空気、水、そして景観を徹底して守り、磨き上げていくことが重要ではないでしょうか。
アフターコロナの大町市のビジョンについてお聞きいたします。
○議長(
中牧盛登君) 答弁を求めます。
総務部長。 〔
総務部長(
竹村静哉君)登壇〕
◎
総務部長(
竹村静哉君)
アフターコロナにおける市のビジョンについてのお尋ねでございます。 県内の
感染状況は落ち着いてきておりますものの、東京など県外の一部の地域では、なお感染の増減を繰り返しており、さらに
新型コロナウイルスに対する有効な治療法やワクチンが確立されるまで、ある程度の期間を覚悟する必要があると言われており、長期的に
ウイルスとの共存を余儀なくされるものと考えております。このため、
感染拡大防止に向けましては、新しい
生活様式の定着に向けた取組を進めていくほか、
医療体制の充実など第2波への備えを進めてまいります。 また、これまでの穏やかな暮らしやまちの活気が一日も早く取り戻せますよう、市民生活や地域経済等に及ぼす影響を的確に把握し、今何を優先すべきかを判断し、地域経済の早期回復や雇用の維持確保に向け、戦略的に取組を進めることとしております。 議員の御提言にありますように、このたびのコロナの蔓延により、外出自粛を経験した全国の皆様が求めるであろう自然への回帰が体感できる観光地としての当市が誇る雄大な山岳や清冽な水などの地域資源は、地域経済のV字回復とさらなる成長につながるものと考えております。また、今回のような経験がなかった非常事態が今後も起こることを想定しながら、非常時に強い強靭な社会経済構造へと変えていくことも必要となります。新たな視点と戦略を持って、全庁を挙げ、市民の皆様が安心して暮らすことができる持続可能なまちづくりに力を尽くしてまいります。 以上でございます。
○議長(
中牧盛登君) 再質問はありませんか。
太田昭司議員。
◆7番(
太田昭司君)
アフターコロナの大町市のビジョンについてお伺いいたしました。 昨日、一昨日の質問、そして御答弁の中でもありましたが、アクションプランということが出てまいりました。
アフターコロナ、ウィズコロナの時代を新たな価値観と斬新な発想で生き抜いていくための、私は大事なプランであると思っております。あらゆる世代の発想と、そして女性と男性の多様な声が反映されたプランとなることを願っております。部長、そのように私は願っておりますが、ぜひそうしていただきたいんですが、部長のお考えをお聞きしてよろしいでしょうか。
○議長(
中牧盛登君)
総務部長。
◎
総務部長(
竹村静哉君) 私の考えをお答えいたします。 先ほど答弁で申し上げましたけれども、今後の市がどのように回復をしていくか、また、存続をしていくかについて、実は現在、方策につきまして各課に取りまとめの指示を出しております。庁内では企画財政課が主となりまして取りまとめを行いますけれども、そこで出されました様々な素案を十分検討した上で、速やかな対応が必要なものについてはより早く、じっくりと落ち着けて進めるべきものは時間をかけてになろうかと思いますけれども、そういった区分をしながら取組を進めてまいりたいと考えております。 以上でございます。
○議長(
中牧盛登君)
太田昭司議員。
◆7番(
太田昭司君) ぜひあらゆる世代の男女の意見をしっかりと取り入れた、多様な意見を取り入れたプランとなることを願っております。 最後に、市長にお尋ねいたします。 先頃、ドイツのメルケル首相が感動的な演説を行い、コロナ時代における文化芸術について語られました。その中で、メルケル首相は文化芸術支援について、連邦政府はこの課題を優先順位の一番上に置いていますと述べられました。これは
アフターコロナの価値観を端的に表されたものと私は感じます。私たちの生活を支える経済活動の重要性は今後も変わることはありませんが、より人間らしい生活の在り方を指し示しているように感じます。それは少し前に話題になったGDPに代わる指標となるブータン王国のGNH、国民総幸福量を連想させます。
アフターコロナの経済を考える上で、非常に示唆的であると私は考えます。大町市の市民の経済活動をしっかりと守り支え、経済的にも発展していくためにこそ、広い意味での文化を守っていくべきときであると思いますが、いかがでしょうか。
○議長(
中牧盛登君) 答弁を求めます。市長。
◎市長(牛越徹君)
ウイルス感染の世界的な拡大によって経済活動が停滞している今こそ、芸術や文化活動を守り、育成すべきと考えるがどうかというお尋ねでございます。 この感染症の蔓延により、全国的に、さらには海外におきましても様々な社会的な活動が停滞し、さらに多くの皆さんが外出の自粛要請などにより行動を大きく制約され、今後の日常生活にも大きな不安を残しております。こうした中、議員の御指摘にありますように、ドイツのメルケル首相は、5月に芸術活動の場を失っている芸術家への支援を表明する演説の中で、文化芸術活動について、コロナのパンデミックの時代に私たちは失われたものの大きさに気づき、様々な心の動きと向き合うようになります。そして、芸術や文化によって過去を理解し、新しいまなざしで未来へ目を向けることができるのですと力強く述べています。私も、文化芸術の振興は新たな創造性や表現力を育て、地域に活力を与えるとともに豊かな精神性を育むものであり、人々に安らぎや潤い、心の豊かさ、そしてブータンにおけるいわゆる幸せ、幸福というものをもたらす大きな役割を果たすものと考えております。 今回の
新型コロナウイルス対策の様々な影響により、市民がこれまでに築いてきた地域に密着した生活文化を含め、様々な文化芸術活動は停滞を余儀なくされております。また、北アルプスや仁科三湖など、豊かな自然環境と歴史、文化を背景として、山岳文化都市を標榜してまいりました大町市の観光も大きな痛手を受け、さらに北アルプス国際芸術祭も延期のやむなきに至っております。しかし、これを機に多くの人々が改めてこれまでの暮らしや日常を振り返り、文化や芸術に接することへの期待、あるいは憧れ、そしてその果たす役割の大きさに気づいたのではないでしょうか。ややもすれば、現在の人と人とが距離を置かざるを得ない日常生活の中で、穏やかさに包まれた人間関係が希薄になりかかっている今こそ、地域の絆を再生するためにお互いの違いを認め合い、尊重し合う寛容の心を回復することが必要だと痛感しております。先日、北アルプス国際芸術祭の北川フラム総合ディレクターが、芸術の本質ということについて地元新聞のインタビューに答え、このように語っています。美術、芸術は違いがあることに価値が認められてきた。考えが異なる人や壁の存在が芸術祭の出発点になると述べております。芸術祭は、来年の開催を目指して再び準備に取りかかることになります。 また、市民の芸術文化活動の拠点となります文化会館や公民館などは、先月16日から通常の業務を再開いたしました。宿泊施設や山小屋運営、サービス業等の産業分野では、いまだに十分な営業再開に至っておりませんが、今だからこそ、芸術文化の分野が地域の元気を再生する先駆けとなって、活動を再開いただくことを願うところでございます。そのために、地域に根差した文化芸術に携わる皆さんのコロナ蔓延以前の活動の環境を回復し、活躍の場と機会をさらに広げていくことができますよう、支援に努めてまいりたいと考えております。そして、山岳文化都市としての大町市が持つ物心両面での豊かさを一層深化させ、芸術文化と経済産業が結びつき融合し、両輪となって生き生きと躍動するこの地域社会を目指してまいりたいと考えるところでございます。 以上でございます。
○議長(
中牧盛登君)
太田昭司議員。
◆7番(
太田昭司君) 市長に、今ポストコロナの新時代に向けた深き決意をお聞かせいただきました。紛れもなく、私たちは今時代の転換点に立っております。これまで世界が歩んできた経済優先の社会が行き着いた先がこの
新型コロナウイルス感染症拡大であったとするならば、次の新たな時代は新たな価値観でしか切り開くことはできないのではないでしょうか。先ほど神社議員のほうからもお話がありましたが、現代フランスを代表する思想家ジャック・アタリ氏は、6月13日付の信濃毎日新聞への寄稿文の中で、
アフターコロナの経済活動の中で重要な役割を担うのは非営利団体であり、彼らの活動を動機づけている源泉こそ他者を喜ばせることの喜びであると述べております。これは先ほどの市長のお話とも深く響き合うと私は感じました。この他者を喜ばせることの喜び、これをジャック・アタリ氏は利他主義とも言っているわけでございますが、現代に最も必要なこの精神性を育むものこそ文化ではないでしょうか。大町市が今まさに取り組んでいる文化政策は、
アフターコロナの世界のもはや逆らうことのできない大きな潮流になると私は信じております。大町市の文化を今担っておられる全ての皆様に、心より敬意と感謝の意を表しまして、私の質問を終わります。
○議長(
中牧盛登君) 以上で
太田昭司議員の質問は終了いたしました。 ここで、11時45分まで休憩といたします。
△休憩 午前11時38分